岩井俊二監督作品。岩井さんの作品は全部というわけではないですが、結構観ていて好きな作品も多いので今回映画館で初めて観れてよかったなと思います。ただ、本作の感想としてはそれなりに面白くはあったんですが、期待を超えてくることはなかったかなと思います。というのも本作は全体的に岩井監督の作風があまり感じられず、アイナ・ジ・エンドさんの色で染まっていたので、もう少し監督が過去作り出してきた雰囲気を僕は味わいたかったかなと思いました。勿論、アイナ・ジ・エンドさんが好きじゃないわけではなく、彼女が元に所属していたBiSHの音楽も好きですし(特にMy landscapeが好き)本作でも彼女から感じる雰囲気や歌声は確かに良かったです。オフコースのさよならは特に素晴らしかった。でも本作の中で良かったと言えるのはそこくらいだったかな。やはり岩井作品にしては少しフィクションや演出に偏りすぎていた気がします。その演出いる？とかそこ繋がる？とか何故そうなる？という部分が多々あったので完全にこの世界観に入り込むことはできなかったですね。広瀬すずさんがどういう存在なのかも最後まで不明でした。あと個人的に監督の持ち味だと思っている「儚さ」も今回はあまり感じられなかったかな。アイナ・ジ・エンドさんをとことん味わいたい人なら最高の作品なのかなと思いますが、岩井俊二監督を味わいたい人ならそこまでかなという印象を受けた作品でした。
