クリストファー・ノーラン監督作品。まず初めに、「インセプション」、「ダークナイトシリーズ」、「テネット」など、数々のエンタメに振ったアクションサスペンスを撮っているノーランが今回は伝記映画を撮ったということで、正直なところそこまで期待はしていなかったんですが、これはこれで見応えがあって良かったです。物理学や量子力学というものは疎いどころか全くの無知といっていい程の自分なんですが、それでもやはり原爆を作るまでの過程であったり落とすにあたっての理由などは日本人として以前から興味があったので、約三時間真剣にスクリーンに集中して観ることができましたし、役者さんの演技力によって話の中に自然と引き込まれる感覚もあって凄いなと思いました。ノーランの無駄のないカット割と音の入れ方も流石でしたね。題材も題材なので日本人にとってはセンシティブな内容で不愉快と捉えられる描写があるのは仕方がないと思いますが、これが嘘偽りのないリアルな反応だと思うので自分は納得しましたね。本作の懸念点を強いて挙げるとすれば、やはり三時間は少し長く感じて特に最後の30分くらいなんかはそう感じたので、二時間半くらいにまとめてあればベストだったかなと思いました。映画館で観る価値十分にありです。
