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キリエのうたのmitoのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.7
2023年119本目。
岩井俊二監督作品。
自身の姉の名で路上ライブをするキリエ、歌う時だけ声が出る彼女の今までの半生を主観に彼女に関わった人々の群像劇。

今までの岩井俊二監督作品が脳裏を過ぎる内容ではある。
アイナ・ジ・エンドを使った歌姫設定はスワロウテイルだし、メインどころ2人の関係性は花とアリスだし…。
そういう意味ではスタンスが一貫しているとも言える。

リップヴァンウィンクルの花嫁でもそうだったように、登場人物が挙って自身の利益に忠実に生きているのも恒例行事。
終盤のライブも開催者、絶対申請出してないだろ(笑)

東日本大震災を起点に時系列が前後するストーリーテリングも相まってか、岩井俊二監督作品の中でも大分とっ散らかった印象を受けるものの、何か突き刺さる不思議なパワーは他作品同様で、前述のような欠点はあるが、観た後はかなりの脱力感(シンプルに上映時間が長いのもあるかもね)

現在のキリエこと路花と、死んでしまった姉のキリエを一人二役で演じたアイナ・ジ・エンドだが、声が出ない路花はハマってたが、普通に声が出るはずの姉キリエも声質の影響か、声が出ないように見えてしまっていた。
姉キリエは別の役者でも別に良かったと思う。
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