ポスターとコピーはキャサリン・パーをヘンリー王の共犯かのように匂わせているが、ヘンリー王は過去の行いで地獄行きになるのに対し、キャサリンはこれから行うことによって地獄行きになる覚悟をしたんで、ちょっと違うんではって思いますた。たぶんキャサリンは求婚を断ったらどうなるかわからないので仕方なくヘンリー王と結婚したのだと思う。なにせ絶対君主だから、罪をでっち上げて火炙り斬首など日常茶飯事。きっと薄氷を踏む思いで毎日を送っていたに違いない。
ヘンリー王という人は、スポーツが得意だし知識をひけらかして賞賛されるのは大好きだけど信念と言えるものは持ち合わせなかったように思う。少なくとも信仰に関する限り、側近の意見に影響されて急進派と保守派の間をフラフラし、そのために多くの人々が投獄され処刑されることになった。
キャサリンは王位継承者である3人の子供たちが正しい信念を持った人間に育つよう、心を砕いたのではないだろうか。エドワードは病弱で若くして世を去るが、二人の姉は強い信念を持った女性に成長した。残念ながらメアリーはその信念を誤った方にむけてしまうことになるのだが。
Firebrandの意味を調べると「煽動者」と出てくるが、語源は「火をおこすための材料」のことだという。後にエリザベス1世が築く黄金時代の立役者に相応しい喩えである。