ちーくん

PERFECT DAYSのちーくんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
ヴィム・ヴェンダース作品。まぁ今年の個人的ベスト映画であることは間違いないし、今後数年、いや下手したら数十年の間、他の映画を観ても本作を超えてくることはないんじゃないかと思うほどの大傑作でした。ヴェンダースの個人的大傑作「まわり道」を超える作品はもう作られないと思っていましたが、舞台が日本で仕事柄も身近にある存在ということで、親近感と現実味が相まってもはや面白さの向こう側の自然と涙が出てきそうな感情になりました。仕事柄は一概には言えませんが、自分もこういう日常、暮らし方、そして少しの小さな幸せを見つけられるような生活をするのが理想であり一番現実的な気がしているので、もし思ったより長く生きていたら将来の自分の人物像をそのまま鏡に映しているようで真剣な眼差しで観ていました。他の人がどう思うか分からないし、もっと楽しいことや嬉しいこと、幸せなことがあって平山さんみたいな生き方は言葉悪く言うと負け組だと思う人もいるかもしれないけど、自分からしたら人生なんてこんなんで充分なのよねぇと思う。他人からしたら負け組と思うかもしれないけど、自分の中では勝ち組だから。しかしながらこんな日本人の感情に寄り添った繊細な内容と仕上がりを外国人監督が作ってしまったなんて本当に信じられない。もうヴェンダースは一つの映画の完成形を作ってしまったのかもしれないと思った。あと最後に一言だけ、TOKYOのトイレはこんなに最新鋭なのか!と少し驚きました笑。
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