わか

PERFECT DAYSのわかのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
日本らしい情緒溢れる光景を、こんな風に表現しているのが外国人の監督だと言うことに驚愕した。

都内で働くトイレ清掃員の日常を淡々と描いている。
言葉は最小限しか発さず、シーンの大半もトイレ掃除、それでも不思議とずっと観ていられるのは、役所広司の演技力によるところも大きい。
ただ、それと同じくらい、知り慣れた土地と文化の中で暮らす同じ日本人の日常だからこそ、どこかその他人事に魅入ってしまっている自分もいる。
恐らく外国で外国人の日常だったなら、それはただの物珍しさで止まってしまって、ここまで刺さらなかったと思う。

ルーチンで決まった日常、そこになんの面白みも無くとも、続けていくことが生きていくということ。
そして、たまにルーチンを飛び出すと起こるハプニングがあるから生きてるのは楽しく、悲しいのだと思う。

フォーカスをあてる対象がトイレの清掃員というのもまた絶妙で、日本人が観ても大半は知ってるけどそこまで知らない清掃のお仕事の大変さと奥深さを知る機会になった。
多分この作品観てなかったら、そういう誰かが陰で地道にやってくれている仕事について考えたり、感謝する機会もなかなか無かったかもと思う。

そして、主人公の平山のきめ細かい仕事とその勤勉ぶりを観て、海外の人たちは衝撃と、日本が他国に比べてキレイだという印象に納得がいくのかもと思った。
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