かわきよ

PERFECT DAYSのかわきよのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

鑑賞途中「なんか木漏れ日みたいな映画だな」ってふと思ったら、ラスト木漏れ日説明書きされて、ちょっと優越感浸れた。嬉しかった。

もし世界を救う人がいるとしたら役所広司なんだろうなって思ったし、200年後くらいに一万円札に印刷されてそうだなって思った。この人多分世界一演技上手いんちゃうか。
「そこにいる」演技の意味が良くわかる。多分この映画は役所広司じゃないと成り立たない場面が多すぎて、逆に損をしているのではないかなと感じた。

「こんなふうに生きていけたら」と謳うけど、僕は別に平山みたいに生きたいとはまだ思えないし、質素な生活を美しく映すことは、葛藤があまりにも見えづら過ぎて、もっと汚いところを写しても良いんじゃないかなと思った。

でも平山みたいに生きたくないっていうのは、嫉妬みたいな感情もあって、こんな平凡すぎる生活に、見出せる小さな幸せを見つけれる自信が無いだけなのかもしれない。孫とかできたら今一度見てみたい。

ライティングがとても印象的だったし、限りなく静かな演出もとても好みだった。

追記、たくさん噛み砕いたら、良いなと思えるところがたくさん出てきた。妹と会うシーンも、ラスト木漏れ日涙も、やっぱり孤独あってこそ、でも選んでしまったという葛藤が良く見える。
鑑賞後すぐは、平山が無敵の人に見えて、それこそ聖人すぎると思っていたけれど、たくさんの小さな綻びが重なって、平山を作っているんだなって思うと、だんだん全てが愛おしく思えてきた。
これはもう一回観なきゃです。
かわきよ

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