清貧という言葉がこれ程当て嵌まる映画も中々ないだろう。
物で溢れかえった現代社会において物欲に塗れた自分には平山の生活スタイルが羨ましく見えるのは何と皮肉なことか‥
仕事や生活における整然さが決して病的ではなく清々しく見えるのは監督、役所広司氏の演技の妙であろう。極限まで台詞や過剰な演出がなくても様々なことが伝わる映画の良さが再認識できた。
ずっと観ていて飽きがこないのも凄いところ。
とかく人や物の嫌なところばかり目に写ってしまう世の中で、物事の良いところを見つけられる平山が見ていて本当に心地よかった。
常に何かに追われている生活ではふと立ち止まって当たり前にある美しいものを愛でる心を持ちたいものだ。
2023年最後に最高な映画体験が出来て本当に良かった。
