このレビューはネタバレを含みます
"perfect days"、観てきた。
以前暮らしていた街が舞台に
なってることもあり、冒頭、
アニマルズ の曲が鳴った瞬間
から既にストーリーに惹き込まれた。
最近はやりの効果音、刺激強めの
グロい描写、絵に描いたような
杓子定規の起承転結、なんてもの
とは、かけはなれた地平から
主人公の日常が若干映画的な、
ルーティンで描写され、
ヴェンダース氏しか想いつかないで
あろう、いにしえのgood old songsが
そっと差し込まれる。
前半の静謐な平穏を絵に描いたような
日常から、幾つかの登場人物が
出入りするが、基本的なトーンは
変わらず、日常は過ぎていく。
以前の、ヴェンダース作品と同様に
彼は、その作品に対峙している
瞬間、五感を通してみえるもの全てを
フィルムに焼き付けようとしてるんだと
想った。
幾つかの引用やセリフを分析して
解題を試みられて匙を投げられるよりは
受け手の日常の中で、ある時スッと
フラッシュバックしてくるような
受け取られかたをする種の作品かも
しれないな。
