とても退屈で、とても良い映画でした。
ルーティン化した丁寧な暮らしの中で見えてくる人との交流が綺麗に描かれていて、全然パーフェクトじゃないけどパーフェクトな日々だなと率直に思いました。
個人的には、この映画、綺麗すぎませんか?と思ってしまった。綺麗すぎて、この世に現実に生きている人には思えなかった。ありえないくらいの富豪の生活と同じくらい想像がつかない(かなり皮肉的ですね)。
綺麗すぎる公衆トイレ、綺麗すぎる古びたアパートの内装、なぜか鍵をかけないルーティンとか、なんかこう現実味や人間味を感じられなくて、ずっとフワフワしてた。
執拗に映し出す木漏れ日の美しさとか、窓から差し込む夕陽だとか、そういう和風な美的感覚ってもうそれ一本で擦るには飽き飽きしてもいて、絵的な美しさで推されてもなぁという気もしないでもなかった。