独身、トイレの清掃員、無口の男が主人公の物語。ストーリーとして大きな起伏はない。
感想としてすごく良かった。美しかった。
私たちは日頃変わり映えのしない毎日をつまらないと思い、他人と自分の毎日を比べどちらが優れていてどちらが幸せでと考えてしまう。
主人公は日々の木漏れ日や音楽、本、毎日通う居酒屋、銭湯を愛し日々の変化を感じ取って自分の中の幸せを大切にしている。
仕事もトイレ掃除というあまり見向きされないかもしれない、完璧にやらなくても誰も見ていないかもしれない、しかし主人公は隅々まで人の気づかないところまで掃除する。
現代を生きる私たちに足りない人からどう評価されるかではなく自分が自分を誇るために一生懸命仕事をする事、人と比べず自分が素敵だ幸せだと感じたものを大切にして生きていく事。そんなことを学べた気がする。
役所広司さんの演じる主人公が普段無口で無表情なためふとした微笑みが凄く可愛らしく感じた。
役者さんも映像も美しくて大好きな映画だった。
もっとこういう素敵な映画を表現できる言語能力が欲しいと思った。
