もこもも

PERFECT DAYSのもこもものレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
東京でトイレ清掃員として働く平山さんの淡々とした日常を綴った作品

役所広司さんって...
ほんまに...ほんまに良い役者さん...
今はその気持ちで胸がいっぱいやし、
平山さんのことが大大大好きになった
ルーティーン化された生活の中で
小さな幸せを見つける平山さんが素敵
平山さんの笑顔に自分も幸せになれる
音楽が超絶素敵やったから全部聴く

単調な暮らしやけど、
同じ一日はないことを"木漏れ日"と
重ねて表現されていて胸に沁みた
一日一日を噛み締めて生きていきたいし、
幸せってなんやろって考えさせられる
自分もよく知っている日本の、
東京の街並みやのに観たら思わず
行きたくなるような魅力があったのは
海外の監督の手腕によるものなのかな

平日は家を出て、缶コーヒーを買って、
カセットを聴きながら仕事場に向かって、
トイレ清掃をして、帰宅して、銭湯に入って、
浅草駅地下の居酒屋で一杯やって、
帰宅後、読書をして就寝
休日は自転車でコインランドリーに向かい、
カメラ屋や本屋、女将がいる居酒屋に寄って
帰宅後、読書をして就寝
なんてことはない日常やけど、
その日常の中で垣間見える平山さんの
真面目な人間性や小さな幸せを
見つけようとする姿勢に好感を抱いた
浅草駅の地下の居酒屋の旦那が平山さんに
おかえりって言うのほっこりする

姪っ子が遊びに来たシーンで
姪っ子の視点から平山さんを見ると
物静かやけど、温かくて、優しくて、
読書家で、音楽のセンス良くて
めっちゃ素敵なおじさんやなぁって感じた
木漏れ日に眺めて笑顔溢れる平山さん素敵
見知らぬ人との○×ゲームのくだりも大好き

久しぶりに再会した妹との別れ際に
強く抱きしめて泣くシーンは印象的
住む世界は違えど妹と久しぶりに会えたことや、
妹の健康を感じれたことに対する嬉しさなのか、
はたまた平山さんと確執がありそうな父親が
弱っていることに対する悲しみの感情なのか
感情的な一面を見てなかったから興味持っちゃう

女将が知らぬ男性と抱き合ってる所を
見てしまったシーンも感情的になってたけど、
これは女将に好意を持っていたんやね
女将の話し方も歌もめっちゃ素敵
死が迫る女将の元夫との会話シーンも印象的
なんにも知らないまま死ぬんやなって
自分も同じ状況やったら思いそうって感じだから
平山さんの試してみましょうの言葉は嬉しかった

自宅よりも没入できる映画館で
この作品を観れてほんまに良かった
ラストの色んな感情を含んだ表情で
運転する平山さんに大きく心揺さぶられた

「今度は今度、今は今」
もこもも

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