ごっちゅん

PERFECT DAYSのごっちゅんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
"この世界には本当は
 たくさんの世界がある"

今日も新しい1日がはじまる。

東京渋谷でトイレ清掃員として働く平山は静かに日々を暮らしている…

同じ日など1日として存在しないことを思い出させてくれる。勿論映画だから多少なりスパイスは効かせているけど、それでも日々移ろいゆく景色や街並みが美しく見えて仕方がない。

「パターソン」と類似している点が多いけど、最も異なる点は主演がおじさんで殆ど会話してるシーンなんて無いということ。
役所広司さんの無言で演じる業がすごい、これほどまでに惹きつけられるか、?!おじさんなのに!?
時々ニコッとする笑顔がたまらなく自然で良いですよね。😊

朝起きてから眠りにつくまでのルーティンが丁寧で清潔感があり、モノの有無とは関係なく満たされているんだろうなと伝わってくるので心地良さを感じる。
銭湯でくつろぎ、行きつけの呑み屋で一杯やり、眠くなるまで布団で読書。

最っ高やん!
丁寧な暮らしとはこういった生活を言うのですねぇ。

カセットテープから流れる音楽も耳触りよく、カメラだったり植木だったり日常を楽しむマインドとセンスを見習い、何かしら自分の生活にも取り入れてみたい!


"こんどはこんど いまはいま"

木漏れ日がつくるきらめきや、街の雑踏から見上げるスカイツリーはその一瞬が生む唯一無二の光景。🌳✨
姪のニコと公園のベンチに座って木漏れ日を眺めて微笑むシーンが好きでした。
しかしええ子やったなあ。また来てね!

疎遠になっていた妹を別れ際に抱きしめる姿が印象的でこちらも好きな場面。
家族でさえ生き方や価値観は異なり、親子で衝突することすらある。他人と比較して悲観したり諦めたりする必要なんてないんすよ。

ラストカットで朝焼けが照らす平山の顔には薄っすら涙が流れているように見える。
平山という男の過去には何があったのだろう?、これからの未来をどんな風に見ているのだろう、?
詳細が明かされる事はないけど笑顔に後悔はないように見えます。


「The Tokyo Toilet」プロジェクト。
誰もが公衆トイレを気持ちよく使い続けられるようにと2023年に17箇所の設置が完了した。しかも1⽇3回の清掃が行われているというから驚き!
著名な建築家デザイナーが設計し、キレイなだけでなくオシャレな空間が誕生している。

渋谷区に殆ど行く機会がないですが、仕事の関係で訪れた際に一箇所だけ目にしたことがある。あっこのトイレ知ってる!というのがちょっと嬉しい。🚽

ついこの前まで海外旅行に行っていたこともあり、トイレ事情はお国柄が色濃く出るなぁと思った。基本的に有料だがそれでも最低限のキレイさを保っているという印象で、治安なんかを加味すると使いたいとまでは思えない。

日本のトイレは世界一やで!と高らかに言いたい!そしてその清潔を保ってくれている清掃員の方ありがとう!
当たり前に生きている中でも誰かが一生懸命働いてくれてるおかげなんよなぁ。
世界は誰かの仕事で出来ているとBOSSのCMでも言ってたし、平山が毎朝飲む缶コーヒーもBOSSだったし。☕️

あと自分の家のトイレくらいはきちんと掃除していこうと思いました。


PERFECT DAYS
という題名から中身までを通して、僕たちは実はめちゃくちゃ完璧で幸運な毎日を生きているんだというメッセージを受け取りました!
ごっちゅん

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