ごっちゅん

パリ、テキサスのごっちゅんのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.9
"何もかも止まってしまった
 あなたは消えてしまった"

あの時信じていたら或いは、、

テキサス州パリへと向かうトラヴィスは砂漠で倒れた後、弟に連れられ4年前に置き去りにした息子と再会を果たす…

カンヌ映画祭でパルムドールを受賞した傑作ロードムービーを初鑑賞!🥳

ヴィムヴェンダース監督ですね、なるほどパーフェクトデイズと近しい風味を感じる。
過去に何かを失い、孤独を背負った男の運転する横顔が何とも言えず哀愁あるのも偶然ではないのかな。

果てしなくビターな結末。
いやこれはそもそも結末ではなくむしろこれからが始まり、もしくは人生の通過点に過ぎないのかもしれんなぁ。
人生は意図せず唐突に変化する。

弟夫婦の特にアンに感情移入してしまう〜😭
4年もの歳月をハンターと共に過ごし、母親として育ててきた責任とこれからも一緒に生きていく覚悟があるはず、なのに。。
ハンター自身がどうしたいかに委ねられるからもうこの気持ちどうしたらいいの?ってなるよ、😭

てかジャケット写真のピンクセーター着た可愛いらしい女性中心に進むのかと思いきや全然違った!笑
ヒゲもじゃトラヴィスがちょこんと下にいるの何かおもろい!笑
その女性ジェーンは終盤で出てくるにしろかなり印象的で存在感あるなぁ。

あとパリっていうからフランスのパリかと思いきやこれもちゃうんかい!🫲

マジックミラーを通して語られる彼らの物語に引き込まれます。
あの頃にはもう絶対に戻れない、そして二度と会うこともないのだとより強調されているようです。二人の間に何があったのか言葉だけでイメージするしかないんだけど、この余白部分であれやこれや想像してしまうね。
二人の顔が重なり合う演出も効いてくる。

序盤に出てきた、彼らの旅行先でのフィルム映像を見た後だからギャップがすごい!この時の映像と音楽のなんて幸せそうなこと、、!

トラヴィスとハンターが道路を挟んで一緒に帰るシーンが微笑ましい😊
心の距離がぐっと縮まっていくのがよくわかる。言葉を交わさないコミュニケーション素敵!

ギターの特徴的な音楽と砂漠の景色がロードムービー感溢れる雰囲気でめっちゃ合ってますね。
最初は弟との旅、そして最後は息子との旅となり、思い返すとトラヴィスすんごい喋るようになったね、無言の時間なんだったの?笑

飛行機拒否して車で長距離移動ってなんか聞いたことあるな、、あ、レインマンだ。
なりゆきタイプのロードムービーは関係性の修復と人生の前進が描かれる。
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