このレビューはネタバレを含みます
久しぶりにすごく好きな映画を観た。
トイレ清掃員である主人公の毎日を切り取っただけの映画なんだけど、主人公が毎日のルーティンの中で些細な楽しみを大切にしている様子がとても尊く感じた。（画面の切り取り方や彼の見る景色の写し方も綺麗だったから、よりそう感じた）
主人公はガラケーしか持っておらず、そのガラケーも仕事の用があるときしか使わない、音楽はカセットといった所謂アナログ人間。
ただ、そんな彼の生活には、今ではSNSの使用で普通になってしまった「自分の生活をシェアし他者から何らかの評価を得る」というのがない。主人公をそのような人間として描いたからこそ、他人の評価を得なくても自分が大切にしている毎日や日常の楽しみはすごく尊いものなんだと感じた。
最後の涙は、色んなことがある毎日で何気なく聞いた曲と何気なく目にする美しい景色で涙を流すこともある、そんなさもないことだけど尊い心の動きを描いたものだと思った。
