このレビューはネタバレを含みます
ヴェンダースは東京画(1985)で「今すでに小津安二郎の撮った日本は無い(意訳)」的な話をしていた。それからさらに約50年、今作では改めて彼自身から見た現代の東京に挑戦したのだろう。しかし何か観光感が否めない(現代の日本の街並みがそもそも嘘くさいのかも知れないが)、
何となく「監督〜、この場所エモくてウケますよ〜」でロケハンした感がある。
ストーリー
日常に現れる小さなドラマのような謳い文句だがそれにしてはドラマティックすぎる。後半からはそれが顕著。いまいちこの映画で描きたかった事がわからない
音楽
私個人としてはvelvetもnina simoneも好きだが明らかに映像と噛み合ってない。
キャスティング
所々で現れる若者の描写が何か、妙に引っかかる。広告代理店が想像した若者像のような、何か嘘臭さを感じる。
役所広司や石川さゆり等のキャスティングが解せない。俳優としては好きだが役の丈に合ってないため何か不自然と感じる
総評
この映画は間違えなく日本人が撮るべき映画だったと思う。やはり何処となく感じてしまう観光感とミスキャスティングが残念。予算もあまり出なかったのか全体的にチープさを感じる(そもそもヴェンダースが予算を大量に要求する監督とは思えないが)。労働者階級を履き違えてるとしか思えない不自然さにはただただ残念。