RyoURABE

PERFECT DAYSのRyoURABEのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヴィムヴェンダースが今、日本・東京を観たら…。みたいな感じは、映像制作者としてすごく刺激的だった。まずカメラマンが上手。“影”や”反射”みたいなイメージをしっかりと画に押さえられていた。ロケ日数17日くらいらしい。すげー。ドキュメンタリーっぽい手法が効いているだけにドキュメンタリーやっている側からすると、逆に俺たちはドキュメンタリーで何を描けばいいんだろうかしらとも思ったり。

勝手ですがマックスヴェーバーの『プロ倫(プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神)』を思い出したり。役所広司演じる平山の宗教的にも思える禁欲な日々ですが、その先にはわずかばかりの銭でつながるサードプレイスの姿が。銭湯、古本屋、なじみの居酒屋。この範囲における生活は日本で暮らす観客ながらもオリエンタリズム全開で”美しい”のですが、日本に住んでいるとその先を知っているというか、遠くない未来、こうしたところにももっと大きな資本主義が待ち受けていて再開発とかで一掃されうるんだろうな…とか。

「真の弱者は救いたくなる姿をしていない(Big Black Dog Syndrome)」ことを改めて胸に刻みながら、自分はどう生き、何を描くかを考えよう、と自省。
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