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PERFECT DAYSのtanのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

あーー、すごく好きだった。
この作品を好きだと思える人間で良かった。

役所広司という俳優がいかに凄い人間か。凄い凄いと言われる理由が本当によく分かる作品。
役所広司ではなく、完全に平山だった。
いくら新しくて綺麗なトイレだといっても、演出で置かれたゴミだとしても、実際に使われている公衆便所を役所広司が掃除している。しかも素手で。なんてことだ。差別でも偏見でもないが、ただ衝撃を受ける。
(自分も他人が使ったトイレや風呂を掃除する日々を送っていたからこその衝撃かもしれない。)

生きている。
生きるとはこういうことだよなと思う。

平山のような人こそ、本当にセンスの良い人なのではないかと思った。

同じことの繰り返しのように見えて、毎日違う。何か特別大きな事が起きなくても、毎日を新鮮に感じる。

家にある植物たちはみんなあの休憩場所で拾ってきた子たちなのか。
財布に新聞紙で作った植木ポットが常に入っている。

ニコと妹を抱きしめて涙したのはなんだったろう。
ママのことが好きだったのだろうか。
影は重ねれば濃くなるに違いない。
癌だというママの元夫と影踏をする。
平山には大抵のことが面白く見えるのか。
面白がることで自分を守っているのか。
ラスト、笑ってるのか泣いてるのか分からない。
別にはっきりしなくたっていい。
そういうものだ。


KOMOREBI


平山の生き方、感性に重なる部分があった。

上映作品のあらすじを見て気になって、公式ページへ飛んだら引き込まれて、観なければと思って観た。
こういう作品はだいたい当たる。(自分に)
直感大事。
あと2回は観たい。少なくとも。

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②2/14

2回目も平山のあくびにつられてしまった。

優しくて良い叔父さんだよなあ。
ママと叔父さんは住む世界が違う。
11の物語のスッポンのビクター。
本当にトイレ掃除してるの…?

石川さゆりの朝日のあたる家。元夫を思って。

平山の自転車とレインコート、やっぱり格好良すぎて欲しい。

平山の休日、コインランドリーへ行き、写真を現像して分別し、テープを巻き直し、畳を掃除する。古本屋で100円の文庫を買って行きつけのスナックへ行く。

フィルムカメラはファインダーを覗かずに撮る。

ラストシーンの複雑な表情。
その気持ち、分かる。分かる気がする。
私も同じ顔になった事がある。
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