やもめの中高年男性の部屋が絶対あんなに小ざっぱりしてる訳ないとか、俗世間から離れたような規則正しいキレイな暮らしができる訳ないとか、まぁ当たり前の事を思うのですけど。
でもこの映画は「彼みたいな生き方は難しいけれど美しい」っていう事を描いている訳で、こんな人いるわけないじゃん！ってツッコむ映画では無いって事ですよね。
観終わって思った事は、こういう生き方を憧れとする世の中に、今自分は生きてるんだなぁという事。
世の中にモノもコトも溢れ過ぎてコップに何も入らないような状態だから、逆に何も持たない事が美しい、みたいな…。
でも、それもちょっと淋しくない？と正直思う。
せっかく人として生まれたんだから、多少のハングリー精神も大切だと思うのです。
あれがしたい、これが欲しい！っていう欲望も大事なエッセンスだし。
まぁ、この映画はそういう気持を別に否定している訳ではないと思うのだけど。
早朝のドライブの風景や室内に入り込む自然光が揺らいだ時の美しさなど、映像はとても綺麗。
この映画を観て、世界の人が東京に興味を持ってくれるだろうか。
最後にどうでもいいけど、平山さんが出掛ける時に家の鍵をかけないのが気になる。
