とある映画祭の国際コンペティション上映作品。
受賞は逃してしまったようですが…。
盲目の時計修理技師の女性エフラートゥンと青年オフラズのラブロマンスです。
キーアイテムとして使われる黄色の傘や、時折挟まれるアニメーションなど、演出が小洒落ていて素敵です。
全体的な雰囲気は美しいし、良作ではあるんだけど…。
人物描写が甘いかな?と思ってしまった。
例えば、エフラートゥンの父は盲目の娘に、聴覚や手触りなどで豊かな感性を授けようと努力するが、母親はこれを否定する。娘が現実を受け入れられなくなるでしょう?と。
またオフラズの母親も、息子が親しくしている女性が盲目だと知るや否や、エフラートゥンの家へ出向き、息子と別れてくれと頼む。
障害(を持つ人)を受け入れられない人物として主に上記の二人が登場するのだけれど、ただただ視覚障害を否定するだけの人物としか描かれていないのが残念。
特にエフラートゥンの母親なんかは、母親なりの愛情や考え方があって、ああいう行動や言動が生まれたのではないかな…。
そのあたりをもっと掘り下げて欲しかったです。
とはいえ、観て損はない作品でした。
一般の劇場で公開されるようでしたら、その時はぜひ…。