アイガーサンクション

PERFECT DAYSのアイガーサンクションのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
素晴らしい映画体験だった。
トイレ清掃員の完璧な日常を淡々と描いているようで、その作業に没頭する日々のなかにおかしみや哀しみがあって、全く飽きなかった。役所演じる無口な平山の微笑みが効いている。また、最後に出てくる三浦友和の枯れた味がまたいい。昔は不器用さが際立っていたが今はその無骨さが味になっている。

映画の画角は4対3、つまり昔のスタンダードサイズで撮影されていて、最初馴れなかったが、日常とお昼寝の際のモノクロームの夢がその画角にマッチしていて、木漏れ日と共に没入させてくれる。

音楽もアナログな味付けで登場しつつ、70年代のギターサウンドがまた枯れていて本編を乾いたテイストで寄り添っている。

余談だが、試写で観た『52ヘルツのクジラたち』(タイプは違えどこちらも素晴らしい)で主人公の同僚役の方が、タカシの代わりで登場していて微笑ましかった。