「全く同じ言葉を使っているのに、全然違う物語を紡ぐもの。」
"この世にはたくさんの世界がある。姉の世界と俺の世界は別のものなんだ"
トイレ清掃員平山の日々を綴った作品。
同じ事の繰り返しの様で、毎日全然違う出来事がひっそりと起きている。
役所広司のセリフは極めて少ない。
それでも、多彩な表情と所作で、平山の頭の中が分かる。仕事、音楽、振舞い、暮らしなどから、智と徳を積んでいると観て取れる。凄い。
外国人監督の目線で描かれるため、画角や構成は邦画のそれとは異なり新鮮だが、日本文化、邦画、役者へのリスペクトを感じる静寂と木漏れ日を淡々と映す様にほくそ笑む。
バイトの恋模様、姪っ子の家出、日々の清掃と休日の過ごし方。いつでも微笑む平山につられて笑う。
誰かの生活を覗き見る。
これこそ邦画の醍醐味だと思う。
映画館出てすぐプレイリスト作った。
2024年鑑賞16本目