NaokoHasegawa

PERFECT DAYSのNaokoHasegawaのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
穏やかに過ぎゆく日常の美しさ。
それを噛みしめる平山さん(役所広司)の表情が良かった。

詳しくは描かれてないけれど、
裕福な暮らし、絶縁、絶望、様々な葛藤を乗り越えて、
「今は今」として暮らしているんだろう。

劇場で2回観た。(1回目は元日の地震の時で中盤までしか観れなかった)
2回目はそれぞれの人物に愛着も湧いていて、
一つひとつが愛おしくて何度も込み上げた。

こういう映画が観たかったんだな。
映画はずっと好きだったけど、特に好きな作品を聞かれると困ってしまっていた。
これからはこの作品を答えると思う。


と、☆5で書いたけど、
何度も思い返すと引っかかるところもあり追記。

自分もフィルム写真派な分、
撮った写真に愛情が感じられないのが少し悲しい。
気に入らない写真を捨てるのは全然いい。(ちゃんと選んで良い写真を大事にするという意味で)
月に大きな缶にどっさりペースで撮っていて、初めて確認する時ですら、あのあっさりな扱い方。
撮る時はあんなに良い顔していたけど、残した写真を見返して、またにまにましたりするのかな。。

「今は今、今度は今度」
という言葉からも、過去は過去で大事なのは今だけなのかな。
であれば、今が過去になり、未来に残る写真を撮るという行為ではなく、ただ目の前の瞬間の木漏れ日を見てにんまりするだけで十分。
写真を撮ることの意味とは、と疑問が残る。