鑑賞後 Perfect daysのプレイリストを聞いています
映画も曲も
とても良かった
平山が清掃用に使う車にのせている
いくつかのカセットテープからわかる
彼のセンス
さらに彼が好む本たちからも
彼の知性が感じられ
無駄のない動き
無駄をいっさい省いた生活
4:3のスタンダードサイズの画面からも
もうすでに
そこにはアナログな平山の世界が広がっていて
電化製品はほぼなく
愛用しているカメラはフィルムで
携帯は仕事用のガラケー
かっては裕福で世間的には勝ち組と言われたのかもしれないが
彼はそれらを捨てて
あるいは捨てなければならず
こうした生活を送っているのではと
思いながら
ストーリーが進むにつれ
それは確信めいてきて
しかし
彼がたどった人生の今が
彼にとって満ち足りたものであることは
間違いなく
空を見上げ
木漏れ日や樹々が
彼に生きている喜びを
与えてくれているように
日々同じことを繰り返しながら
些細な出来事が波紋のように
平山の心をざわめかせ
それを
困惑しながらも
ふっと微笑み
時には涙し
また日々を重ねる
まるで僧侶のように
たんたんとたんたんと
ラストの平山の長回し
いろんな感情がないまぜになった表情が
本当に素晴らしくて
役所広司という俳優がいてこその
作品だなぁと
しみじみとリアルタイムで役所さんとヴェンダース監督が作り上げた世界に没入させてもらえて嬉しかった
公園の浮浪者の田中泯さんの動作がさすがで
ガールズバーで働くアオイヤマダさんといい
ダンサーの方々の動きはどこかきれい
石川さゆりママの歌声もすてきで
すべての配役もパーフェクトでした
鑑賞後、じっくり映画の公式サイトを観ました
ヴェンダース監督と役所広司さんのそれぞれのインタビューがあって
監督が平山について僧侶をイメージしていたと知ったり(すごく納得)
小津安二郎監督の影響力や映画の背景を
とても興味深く拝見しました
前情報なしに観るのが好きですが
また観てみたいなと今思っています