れーちゃん

PERFECT DAYSのれーちゃんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.8
渡米期間と重なり、やっと鑑賞。
内容だけ観ていると「パターソン」のような、同じような日常でも決して同じ1日はない。完璧な一日はあるようで完璧な一日なんてない。というようなメッセージ性も感じて、時にグッときてしまった。
特に、姪っ子ちゃんとのやりとりや、おじさん同士の影踏みなんてもう涙がちょちょぎれそうだった。

一方で、作品という視点で鑑賞すると、とても商業的すぎて没入できなかった。

トイレに意味を持たせたいというような思いで作られた映画であるから、トイレが強調されていたり、使い方を説明するあたりまではまだ良いだろう。東京都のPRでもあっただろうし。

しかし、着ている服が全てユニクロだったり、出てくる自販機が全てサントリーだったり、あからさまに「BOSS」のロゴを見せていたり。
役所広司さん主演だから成り立っていたようなものの、こんな商業的な作品に消耗してしまっていいのかとさえ思った。

後から考えれば「木漏れ日」という概念は日本の繊細さでもあるといいたいかのように、最後にわざわざ出してくるのもなんだかしっくりこなかった。

とは言いつつ、この前代々木八幡宮の前を通った時ちょっとテンションが上がってしまったりもしたので、深く考えずに観ればとても良い作品なのではないかと思う。
れーちゃん

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