PERFECT DAYSのコラボのレビュー・感想・評価

役所広司だから、と敬遠していた映画。規則正しい生活をしながら東京の共同トイレを掃除する平山。寡黙であまり自分を語らず、現代の利便も求めずいつも同じところに顔を出し同じことをする。夢を見ては朝近所の人の道路を掃く音で目を覚ます。ある時姪が家出して平山のところに駆け込むところで少し変化がある。それでも彼の生活は微かに軋むだけで、習慣が日常に押し戻す。ドラマなし、説明も謎解きもなし。ただ植物的に生活を続ける。それを彩るのはルー・リードらの音楽のみ。稀有な映画体験。