このレビューはネタバレを含みます
この映画は物語として大きな変化は過去が解き明かされるなんてことを目的としない映画であり、正直こんな映画は見たことがありませんでした。
映画の本質をこんなにもダイレクトに、且つ余分な物すべて削ぎ落として表現できるヴィム監督、凄いの一言に尽きます…。
役所さん目当てで観たけれど、この役は役所さんだからこそ尚良かったと思います。映画館で観られて本当に良かった…。
「毎日同じことの繰り返し」なんて台詞は数多くのエンタメで聞いてきたけれど、「PERFECT DAYS」という完成されたルーティンの中でも「変わらないなんてことはない」と言った役所さんの台詞が忘れられませんでした。
平山さんはそんな日々の中で生きているからこそ、毎日玄関を出て空を見上げて笑顔になれるのだと思いました。
前者の「同じことの繰り返しでつまらない=刺激的なことを求めている(けれどそれも過ぎたら終わり)」よりも、私も平山さんのように「同じことの繰り返し=でも毎日小さな変化と幸せに満ちている」ことを感じながら生きていきたいです。