平山さんって自分のやりたいことをやり、見たいものを見、聴きたいものを聴き、無欲で質素だけどかなり豊かな生き方してるな。木漏れ日、公園の一隅に咲く小さな花、鳥の声。無欲に自然と語らい会うような感じは理想的な生き方だ。平山沢がどんな出自なのかは、運転手つきの高級車で現れた妹との会話でうっすらとわかる。特にお金に困っているような様子も見えないし、この映画は現在の寓話なのかな。それを底から支える役所広司さんの存在感。ラストの役所さんの顔だけのワンショット撮影、大袈裟なことなんか何もしていないのに一人の人間の生き様のようなものを感じた。