ささやかながら満ち足りた日々を送って、「こんな風に生きられたらな」を実現したように見える平山だけど、それでも彼の生活は決して"Perfect"じゃないんだろう。
ラストの泣き笑い…というより、泣けて泣けてしょうがないけどそれでも頑張って口角を上げている(ように見える)姿に胸が詰まったけれど、「そうか、そうだよな。平山ですらそうなんだよな」とどこか救われた気持ちになった。
眠りに落ちる前の木漏れ日が印象的。
木漏れ日は平山の人生と似てる気がする。直射日光みたいな強烈さがなく柔らかなところ。そして木という他者がいないと存在しえず、その関わり方によって淡く表情を変えるから、一つとして同じものがないところも。
平山も変わりない日常にとことん執着しているけれど、生きている限り人との関わりはどうしたって生じるもので、それによって彼のなだらかな毎日にも必ず何かしらの変化が起こっている。
4月頭に見たのになかなか言葉にできなくて投稿が遅くなってしまった。
大した悩みもなく漫然と日々を過ごしている自分ですら、明日も生きていこうと思える良い映画だった。