エンドロール中何も感想が浮かんでこない稀有な体験をした。好き嫌いの話ではなく、この曖昧さに何を感じたら良いのかよく分からなかったという気持ち。人間関係において自分以外が抱える本心は誰にも一生分からないし、物事の捉え方や記憶の保存方法は人それぞれ異なるし、人の数だけ真実があるよねという話、だからこの曖昧さは仕方ないんだろう。明確な心情提示と真実=憶測が含まれた小説のような誰か固定の目線から見た物語(もしくは人生)になってしまう。愛し合っていれば、本人たちがそれで幸せを感じているのであれば、外野がとやかく言うことはないのではと思うところもあるけど同時に、もし自身が身内としてこのお話に関わるのであれば大変なショックを受けるのも容易に想像が付くため、物語の主軸に対しても何を思えば良いのか分からない。当事者か第三者(他人事)かで物事の見方感じ方は大きく異なり、仕方ないことではあるけど、人の心の狡さに嫌気がさしたりもする。純愛なのか成り行きなのかよく分からなくなってくるところもこの映画の良さなんだろう。何においても真実は、メディアを介してしか関われない私たちには知る由もないのかも。
★may-december: a relationship between people with a large age gap