【メイ・ディセンバーっていう人は出てきません】
13歳の少年と恋に落ちた36歳のグレイシー。その罪で投獄され、そしてその子供を獄中で出産するという実話をもとにした作品。本作では、事件を映像化するため、主演女優のエリザベスが二人を取材する所を軸に話が展開する。
実在する事件自体がセンセーショナルなのであんまり脚色とか演出しなくてもいいのに、とも思うが、本作は事件を取材する女優を通して描かれているだけに、二重にも三重にも視点のフィルターがかかっている。
事件→それをドラマ化→ドラマを演じる女優→その取材。この何重にもかかっているフィルターがミソ(何が真実で誰の何を信じていいのか混乱する)なのだが、前述の通り複雑にしなくても面白いのに、とも感じる。
まぁそこを狙っているのだろうけど。狙いはわかるが充分生かせる素材があるなら敢えてシンプルにしてもいいんではないか、と思うのです。