たかちゃん

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のたかちゃんのレビュー・感想・評価

4.2
ユダヤ教徒家族の男児(生後6か月)を、キリスト教教皇の指示で誘拐、キリスト教徒として育てられる。攫った理由は、洗礼を受けたから。乳母が親の知らないところで協会に連れて行ったのだ。洗礼は取り消せない。洗礼を受けた子をイエスを裏切ったユダヤ人に育てさせるわけにはゆかない。両親は子供を取り返そうとする。そして遂に、年老いた母親と、成長した子供が顔を合わせるのだが…。恐ろしく残酷なエンディング!
『ポケットの中の握り拳』から、フランチェスコ・ロージのような社会派に。そして宗教というタブウに切り込んだのが本作。脚本家、監督が手を出すのを恐れているのが宗教だが、本作は実話とはいえ、ユダヤ教を攻撃しているようで、実はキリスト教とその教皇を残酷な犯罪者として描いている勇気を称えたい。
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