このレビューはネタバレを含みます
これが実話とは。
世を治めるほどの力を持った宗教の恐ろしさを
まざまざと感じさせられる。
小さなエドガルドのかわいらしいほっぺと
ふっくらした指が
本当にいとおしい。
このかわいらしい息子を親元から連れ去る
どんな正当な理由があるというんだろう。
自我もまだない小さなエドガルドは
だんだんと回りに染まり、そこで生きていけるような成長をしていくけれど
それも仕方ないんだろうなぁ…と思うと
とにかく不憫。
権力を持った宗教は、いつの世も怖い。
不穏な空気、荘厳な情景、慟哭の表情、
様々な場面に添えられる音楽が素晴らしく
重く美しい映画だった。
遺体を運ぶところでのエドガルドの振舞いで
あ、洗脳のような状態から解けたのかな…と思ったら
そうではなくて驚いた。
あれだけ浴びて育てばそうなるか…
さて、この重厚な映画に似つかわしくないことを思ってしまったことを白状しておきます。
まだ捕らえられて間もないエドガルドが
夢の中で、キリスト像から磔の杭を抜いたシーン。
それをあいつらの脳天に刺しに行くんだな?よしっ!行け!
…と思ってしまいました。
そんな映画じゃなかったです。すみません。