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落下の解剖学のhikumahikaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5


【解剖されたのは、家族関係】

息子が犬と外出、妻も階下で寝ていた間に夫が転落死しているのが発見される。
第一発見者は視覚障害のある息子、次いで妻。
前日に夫婦が口論していた録音音源が見つかったことから、妻は殺人罪で逮捕されてしまう。

息子の証言が変わったり、夫婦間に不倫や妬みの存在が明らかになったり、夫が精神科治療を受けていたり、妻と弁護士の仲が親しかったりしたことなどから、妻にとって形勢が有利になったり不利になったりで観る側の重心が何度も揺さぶられる。
繰り広げられる法廷シーンがかなり長かったのは意外だった。

最後は真相を明かして終わり…と思いきや、そんな予定調和な終わり方をしないのが只者でないところで、推理は我々に委ねられる。
ラスト、アレが初めて妻に寄り添うところが映されたのだが、あれに意味はあったのか?
あったとすれば、オープニングシーンのアレの行動がヒントのようにも思えて、気になって仕方なくなる。

弁護士役のスワン・アルローがシュッとしてロマンスグレーでカッコよくて同性でも惚れるわ。
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