大鳥涙

落下の解剖学の大鳥涙のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5
AnatomyよりPathology の方が的確な気がする。
別人格の二者の関係は、お互いの心理を思いやって上手く擦り合わせることで調和を保つ。相反する様な境遇でも、良好な関係が成り立つ理由だと思う。でも、時にボタンのかけ違いは起こる。そこで包み隠さず心情を吐露した時、恐ろしいほどの暴力性が生まれ、修復どころか悲劇に終わることは決して珍しいことではない。特に夫婦や親子、兄弟では意外と多く、本作はその病理を丹念に描いて素晴らしかった。
実に見応えのある秀作で、ベルイマンにも引けを取らないと思う。
今年の観るべき一本。
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