マオチャソ

落下の解剖学のマオチャソのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

主演のザンドラ・ヒュラーをイメージして作られただけあって「サンドラ(役名)」の人間味が深い。夫の不審な落下死から、夫婦として作家として親として・・・様々なものが落下してゆく。
ほぼ法廷劇なんだけど確証や物証というものがなく証言や受け手によって見え方が変わっていく。生活の一部を切り取って人のイメージを決めたり、他人にこうあって欲しいというイメージを押し付けたり。
子役も素晴らしかった。いつもどこか寂しげで透明感がある。ピアノで彼の成長や心境を表してるのかな。個人的に一番の被害者。
序盤と終盤でサンドラのイメージがガラッと変わった気がしたけど、よく思い出したら最初からそうだった気もする。これはザンドラの演技力だと思う。
結末に関しては観る人によって違う気がした。私は夫が妻に疑惑が向くように自殺したんじゃないかと思ってる。サンドラも気付いてるんじゃないだろうか。

割と長尺だし、ほぼ会話で進むストーリーだけど飽きなくて面白かった。あとやっぱりザンドラのサンドラがすごい。証言によって変わっていくイメージの全てにフィットしつつも人物としてブレてない。脚本の妙もあるんだろうけど演技が半端ない。

あと犬は無事です。
死にかけの演技がすごすぎて本気で心配になった。