このレビューはネタバレを含みます
夫の転落死を起点に揺れる妻サンドラと息子ダニエルの物語
転落死の真相はサンドラしか知らないのかもしれないし、本当に誰も知らないのかもしれない。
転落死という事実を起点に様々な物語を人々が作り上げ真実が曖昧になってゆく。何が本当かわからない中で、息子ダニエルは母であるサンドラを信じるという結論を出す。
家族という親密な仲であっても知らない一面はある。
逆に法廷で出された喧嘩の資料が彼女の本性であるとも言い切れない。黒か白かで言い切れないのが人間である。
法廷で無実を勝ち取ったサンドラであるが、物語上で本件の真実が語られる訳ではない。人を信じるとはどういう事なのか、真実とはなんであるのか。そんなところがテーマなのではないかと思った。