ニャントラ

落下の解剖学のニャントラのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

・結論:犬、最高!って感じの映画だった。
・母親が夫殺しの裁判にかけられ無罪を争う話なんだけど。まあ、究極の人間ドラマと言われればそれはそうだし、家庭内の問題を徹底的に描いた作品……なんだけど、冗長と言われれば冗長。3時間近くやらんでも、とも思うけど、でも全て描き切るならこれくらい必要だったろうし、何よりそのある種の冗長さがドキュメンタリーっぽく感じられる瞬間もあり。家で観たら寝ちゃいそうだから映画館で観れたのはよかった。
・法廷だからまあああいう話の聞かれ方するのはそうだけど、でもわかりやすい事実とわかりにくい事実が世の中にはあって、心の中の話とかは事実であっても他人に公的に認められた事実とはならないし、裁かれる側に立つというのは色々ともどかしいことだろうなと思った。
・サンドラと夫の関係は、現代の主婦と夫(サンドラは夫側)のようだなと思った。人間は全ての立場を経験することはできず、経験不足は想像力や寄り添いの気持ちで補うものだけど、関係が近くなればなるほど甘えが出るし、問題は起きるし、理想的な自分でいられない瞬間が多々発生する。結局、自分が何を得て何を捨てたかは、言い争ってもしょうがなくて、真に相手の立場にならないとわからないんじゃないか。何も捨てさせてないと決めつけるのではなく、愚痴だと断ずるのではなく、まず一つひとつ聞く、寄り添いが大事だっただろうと思った。でもサンドラの言い分は正直自分の最近の人生にフィットしているというか、わかる部分はあった。
・夫が生前息子に話していた犬の話は良かったね。
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