ニャントラ

関心領域のニャントラのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

全体的に怖すぎ。家の隣で銃声が鳴り続けてる環境でも全く気にしてない嫁、「最高の家、離れたくない」って言える心境。素敵なお家だとしても大量虐殺施設の隣で暮らしているわけで、それが17歳からの夢?子供たちにとって本当に良い環境だと思う?本当に自分らは何も悪いことをしてないと思ってるんだなと思った(まあ夜眠れてなかったし完璧に信じて疑わないわけじゃないのかもしれない。あるいはただ忌まわしい、早くみんないなくなって戦争が終わればいいのにと思ってただけなのかもしれない。だとすればなお最悪)。母親に「ユダヤ人を家政婦にしてるの?」と問われ「地元の人よ」と答えたが、全てのユダヤ人だってそこに住んでたんだからドイツ人と同じく「地元の人」なんだよな。民族的には確かに土地を追われて転々としてたけど……。
で、今度は現実の場面を見せられることで、「過去のドイツ人の精神性にドン引きしてるそこのお前、ホロコースト博物館を掃除してる人はそこにある遺品たちにいちいち拝んだり胸を痛めたりしないんだぜ。お前だってそうだろ?ウクライナやガザのことはニュースの一部、生活の一部として流してるだろ?」と言われてる気分になった。実際そうだから苦い気持ちだよ。苦しい思いしてる人たちを思うとどうしようもない気持ちになる。自分ら小市民は何をすればいいんだ一体。
全体的にうっすら悲鳴や銃声はしてるけど説明がないので知識ゼロだと何の暗示なのかわからない場面はあったかも。朝の軽快な爆音音楽、あれ「朝のシャワーの時間」とか言ってガス室に入れてる時間じゃないか?色々気づいてない部分たくさんあると思うけど……後味悪い映画だった。自分はどうしたらいいのか。
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