寺町今出川

落下の解剖学の寺町今出川のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5
終盤に向けての展開と感動の加速力は凄まじく、出演者も全員素晴らしい、犬にいたるまで。自殺か?他殺か?事故死か?非常に緻密に計算され、物語に引き付けられる今作が描く最重要ポイントは、白でも黒でもない、グレイゾーンの解釈について…だと感じた。基本、法廷ものではあるが「真実は何処(Where)にあるのか?」よりも「真実と思わせるのはどうやれば(How)いいのか?」への振り幅が大きく、真実と人に思わせるための印象操作や言質の選び方は「じやあ真実って本当のところ何んだった(What)の?」と思わずにいられなかった…「何故(Why)そうなってしまった?」とは思いながらも観る者による解釈に委ねられた結末は「こんな見事な脚本書いたのは誰(Who)だよ!」と賞がらみでなくても誰もが唸る仕上がり…こんな傑作、映画ファンならいつ(When)観るの!今でしょ!
今年ベスト級の傑作。圧倒されました。ただ、ミステリー・謎解き的な映画と思い観に行くと肩すかし食らうと思います
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