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落下の解剖学のゲルのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5
雪の山荘で転落死……ついつい『かまいたちの夜』を連想してしまうけれど、全然違った。
かなり多くの時間を裁判シーンに割いている法廷ものであった。
日本では好みが分かれそう。
法廷ではほとんどシチュエーションが変わらないので、役者の演技を堪能できる点は良いと思う。
生々しい夫婦喧嘩の様子を見せられて前向きにはなれないので、気持ちが落ちているときには観ない方が賢明。
息子のダニエルは、多感な時期にとんでもないことに巻き込まれてしまって気の毒。
事実かどうかもわからない両親のあれこれを知ることとなり、少年の人間形成に多大なる影響を与えたであろうことは明白。
母親の精神不安定さを子供は敏感に察知するし、大人になることを急かされる。
既におかしな方向に行きかけている片鱗も見え、不安だけが残ったまま終わってしまった。
ところで、白鶴酒造の日本酒の輸出量は国内トップだそう。
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