階段を落ちるボールから始まったときはすごく期待したし、タイトルなどからミステリ的なものを想像していたため、いずれも期待はずれ感はあった。しかし、単なる会話劇ではなく複数の言語による法廷もの、夫婦・親子関係ものとしていることで興味が持続できた。
録音された夫婦の会話のエグさというか、お互いのプライドのぶつかり合いというか、妻の理屈に対して夫は感情であることの相容れなさとか、言葉で伝わるものと伝わらないものとかを見せつけるシーンがクライマックス。私たち観客は録音された場面を観たが、裁判官や検事等は音だけである。
