桜庭信一

落下の解剖学の桜庭信一のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.4
この近年で非常に面白い映画を見れたことに、まずは感謝したい。

映画・ドラマに関わらず芝居って、頭の隅に芝居をしていると常に思っているところがあるが、中盤の夫婦のシーンはかなりのリハーサルを重ねたと思う。なんでいうか。芝居を超えた芝居。

あのシーンは頭から最後まで通しで芝居をして、カメラ2か3台のマルチで撮影したんじゃないかな。後半につれ、テンションが上っていき、芝居がハイになっていると。思われる。ランナーズ・ハイに近い。

153分の長めの映画ですけど、長さが感じられない。
そして、カメラワークがいい、息子が最初に法定に立つシーンは検察側と弁護人の両方からの質問に対して、息子だけ写し、質問された側を彼が顔を向くときにカメラワークがよく考えられた演出。その他のわざと見せないでシーンにあったり、見てる側を考えさせるカメラ。

さて、本当に妻は殺していないのか?不利な状態での裁判は進んでいくが
息子の発言で無罪に見えるは、果たして最初から・・・。脚本・演出から考えるとその方が、劇的に見えるから?

最後、なぜ息子は電話に出なかったのか?
今まで、彼女と犬の2ショットが無かったが、最後に彼女の方へ?
そしてそのカットでラストとは意外だった。
僕だったら、雪が降る家のシーンで終わるのはどうだろう?

24/07/24 55本目
桜庭信一

桜庭信一