Anna

落下の解剖学のAnnaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8
夫の自宅での死により容疑をかけられるサンドラ、亡くなるまでは呆気なく、その後気が遠くなるほど長い「夫の死」、息子ダニエルにとっては「父の死」と隣り合わせな生活が始まる。

今まで日常を送っていた自宅では日夜検察による家宅捜索や事故当時の検証が続き、裁判中はダニエルとサンドラが裁判についての会話をしない様に観察官が同居するなど異様な生活が続く。
「夫、父の死」はあくまでケースでしかなく、事件解明の為、無情なやり取りが裁判の中でも繰り広げられる。

決定的な証拠があるわけでもなく、死体が喋る事はなく、人間は嘘をつけるし、結局の所なにが事実かはわからない。しかし、その中でも最後には人の感情ベースで真相を白か黒にしなければならない。
結果次第ではあまりにも理不尽だが、それが裁判なのだと再認識させられた。
Anna

Anna