試写会にて鑑賞。
そこらあたりのスプラッター映画より後味が悪い。
現実に起こっていたと言うことを、頭にいれるとなおさらである。
犠牲者の惨めな生活状態残酷な処刑シーンをほぼほぼ描かずナチスの蛮行に迫った稀有な映画。
庭園、林、川、美しい田園風景、上流階級を伺わせる衣服。時々垣間見える焼却炉から上がる煙と、耳障りな音響がなければ、私も無関心な人々の生活ぶりに肩入れしそうになる。視野というものが多分にみたいものだけをみるという取捨選択を知らぬ間に行っていることをこの映画は悟らせる。
一切の良心と、現代的価値観が通じない世界。ただしたかだか80年前のことである。