Sasada

関心領域のSasadaのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
3.4
初日とはいえ平日のお昼に結構な客入りで、言っちゃえば地味な映画にこれだけの「関心」が寄せられているのは良いとも悪いとも言えそうですね。(現実に起きている殺戮、侵攻が関心を高める理由になってるわけで)

アイデア一発にあの手この手で最後まで引っ張ろうという気概は感じつつも単調すぎるきらいはあって、意義深さと作品としての出来を切り分けるならこれくらいかなと。現在と過去が地続きであることなんて散々身に染みているし、いくらニュースやSNSを通じて惨状を知っても安全な家にいられる現状は変わらない。

「悪の凡庸さ」がクリシェとしてそれこそ凡庸に使われる中で、官僚的なイエスマンではなく自らの意思で成果を上げようとする収容所所長の姿を描いたのはとても良いと思います。正しく伝えることへの覚悟はラストカットで示されるし。
Sasada

Sasada