このレビューはネタバレを含みます
アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族の話。
虐殺されているユダヤ人の映像は全く映されないが、銃声や鳴き声が1枚の壁の向こうから日常的に聞こえる日々。
そんな音が日常になっていて聴こえていない家族たち。
祖母と奥さんとルドルフの3段構造。
気になる音、声が聴こえている祖母。
聴きたい音しか聴こえていない家族たち。
気になる音、声も聴こえていておそらくその映像も目にしているルドルフ。
子供が口ずさむリズムが機械が動く音と人の声などで純粋な人怖でもあった。
ルドフルは罪悪感というか嫌悪感によるダメージを受けていないようにも思えたし、受けているようにも思えた。
酷い仕事を受け入れて贅沢な暮らしができる、ただ壁の一枚向こうで起きていることによる生活の影響もある。
そんなこともあるから家族みんなで出ていきたかったのかなとも思うけど、そうでもなさそうにも思える。
そこがなんだか掴みきれなかった。
映画ならではの演習、特にラストとかすごく良かった。
久々に映画観たなと思える良作。