ミーファー

関心領域のミーファーのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

不安や恐怖、欺瞞がウヨウヨ!
こんな地獄のダンジョン。おや……。光が見える。
ドウシテ…………。シュワワワワ――――。
心のモンスターが浄化されたSEです。

心なら、未来から過去にも手が届く、と思わせてくれる映画だった。

オープニングの後は、しばらく画面に動きがない。
音だけが響いている。
たぶん安心だろう。でも、何が起こるかわからないような。
座りが悪い感じ。

幸せな家族のありふれたやりとりが、ずっと続くようだった。
それにしても、この音は何だろう、と。
遠いような近いような。
気にしないこともできるけど、ずっと不安だった。

庭の花が、スライドショーのようにスクリーンに映し出される。
この辺りで強い怒りを覚えた。
たしか最後に映るオレンジ色の花だけが、奥が暗くて底が見えなくて、怖い。

エンディングが好きだった。
あなたの行いは許されない、と思うこと自体に意味があると思えた。
このシーンの建物が近代的で洗練されているのもいい味。
エンドロールの音楽も凄い。
映画館で観て良かった。

女の子がピアノを弾くところを何度も思い出しては泣いてしまう。
オレンジの字幕での歌詞は、私たちは旗を掲げる、とかだった気がする。
もう………。だってさ………。
泣くよ、こんなの。

パンフレットは読み物が多く、何度も泣きそうになってしまった。
誰の心にもいる二匹の狼の話も考えさせられる。

原作も読む。
最高!