恐ろしかった。終始聞こえる焼却場の音、銃声、叫び声。無関心の愚かさをここまで感覚的に訴えかけてくるのは凄い。
賞賛を浴びた監督の受賞スピーチのこともあり、終始、今のガザで起きているイスラエルによる虐殺のことを考えずにはいられなかった。というかそのことを想うために見にきた。
この映画で映されている状況は、私たちが生きてるまさに今と何も変わらない。ソーシャルメディアや報道、街中のプロテストからこれでもかというくらい、情報が流れ込んでくる。目を覆いたくなる事実、光景も流れてくる。それに無関心でいてどうしてこの映画の中の家族を批判できる？
エンドロールのBGMは今すぐ逃げたくなるような不快な音や叫び声みたいなのが混じった音楽だったんだけど、目を背けない、耳を塞がない、無感情でいないことの大切さを伝えてきているようだった。個人的にそうとしか捉えられなかった。
一貫していて素晴らしかった。
