日々多

関心領域の日々多のレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
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オープニングから不穏な雰囲気だった。タイトルが出たかと思いきや、しばらく画面は真っ暗。音だけが映画館に流れているあの異様な雰囲気は初めて体験した。

ずっと映像は何気ない平和な日常なのに音は銃声や悲鳴。そして背景で微かに立ち上る黒い煙。
視覚情報は何でもないのに聴覚情報だけは恐怖で変な気分でした。
逆に、音に集中しなかったとしたら退屈になるかとも思いました。(眠気が来た時もあった)

カメラ構図は人物アップがほとんどなくロングショットばかりで、まるでとある家庭を自分たちがずっと盗撮しているような気持ちになった。

アウシュビッツでの行いを生活のために見て見ぬ振りする者、耐えられなくなる者、そもそも何が行われているか知らない者など、関心を向ける対象は人それぞれ違うという事を改めて感じされられた映画でした。

現在も世界で人が命を落とし続けている所がある中で、自分たちは平和に生活している事を考えるとこの映画とリンクする所を感じ、無関心ではいられないと思いました。

最後、エンドロールのbgmが気持ち悪くて映画館出ようかと考えました。
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